Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


三


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「はあ？　あなたなんで最初からそんな話に持っていくのよ！

もっと他にもあるでしょう！」

　小声ながらも鋭く叱られ、涼介は本気で困惑する。

「ほかに、と言われても……。

俺、いえ、僕も半分巻き込まれたようなものなんです」

　自分たちだけで話すのは良くないと太一の祖母たちに向き直り声を張ると、

一美が露骨に顔を顰める。

「黄金梅…って、もしかしてりっちゃんもそんなおとぎ話信じているの？」

　一美の言葉に剣が籠る。

市民から信頼され、信仰されている梅宮美都子の存在があるにも関わらず、

市井の人間は黄金梅の存在を知らないというのも皮肉な話だ。

（こんな状態から何を話すつもりなんだ？　俺……）

　我ながら策のないことこの上ない。

（兄貴や碧さんだったらどうするだろう……）

　あの二人なら、もっとうまくやるはずだ。

今だって助けを求めれば答えてもくれるかもしれない。