Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


三


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　きっと初めから話を聞く気なんてなかったのだろう。

節子が汚いものでも見るかのような眼差しを涼介へ向けている。

太一は悲しくなった。


（こんなんじゃ何を言ったって駄目ってことじゃないか）


　あらぬ疑いまでかけられてもなお必死に説得しようとしてくれる

涼介に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

なんて言って青年へ謝ればいいのだろう。

ズボンを握り締めながら考えこんでいると、律子が祖母へ声をかけた。


「おばあ様がそう思うのは無理もありません。

私も最初は偶然だと思ってました」

「りっちゃん？」


　突然しゃべり出した律子を一美が訝しげに見る。

しかし律子は名前を呼ぶ母の声など聞こえていないのか、話を続けた。


「私は太一くんとは違い、

本当にたまたま買ったお花を植えたらその中に種が入っていたみたいで」


　律子は何を言いたいのだろう。

太一が内心で首をかしげていると、

涼介が彼女の話をぶった切るかのように割り込んできた。