Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


三


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「僕も太一君にこの件から手を引かせるべきではないかと

考えていました。

しかし、彼には彼の意志がある。

お祖母さんは太一君へ梅の実を託された。

それなのになぜそこまで黄金梅を否定なさるのですか？」

（お兄ちゃんは強いなー）


　嫌悪感をあらわにする祖母の態度に

早くも心が折れそうになっている自分とはまるで違う。

太一は恥ずかしくなった。


（お兄ちゃんはぼくのために頑張ってくれてるんだから

しっかりしろ！）


　太一が心の中で鼓舞していると、

節子が鼻で笑いながら冷ややかに涼介を見つめた。


「獣人と関わりを持つような人間に黄金梅を語ってほしくないわね。

それにあれはそんなものではないわ」

「どういう意味ですか？」

「あれは黄金梅の種なんかじゃないって意味よ」


　涼介の問いになんの感情も見せず返答する祖母へ

太一は間髪を入れずに反論した。


「嘘だ！　だってばぁちゃん言ってたじゃないか！

じぃちゃんからもらった黄金梅の種だって」

「太一……」


　肩で息をしながら祖母を睨みつける。

悲しげに瞳を揺らす節子の顔に、太一は眉をひそめた。