Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


四


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　白い扉を開けた涼介に促されるまま、太一は中へ入る。

失礼します、と言いながら足を踏み入れた先で目に入ってきた光景に、

太一はあんぐりと口を開けた。


（うわぁ、本がいっぱい。まるで図書室にきたみたいだ）


　両側の壁にある本棚には壁紙がまったく見えないほど

本がびっしりと埋め尽くされている。


「いらっしゃい。お待ちしてましたよ。どうぞ席に座ってください」


　太一が立ち尽くしていると、

優しそうな顔の老人が一番奥にある一際大きな机から近づいてきた。

この人が涼介の言っていた『冴島先生』なのだろう。

にこにことした笑みに吊られるように太一も頬を緩めた。

その背後から涼介と同じ年くらいの男性と女性が人懐こい笑顔を見せる。


「あ、今お茶用意します」

「あ、じゃあ私は羊羹を」


　パタパタと足音を立てながら男性のあとをついて行く女性に、

律子が声をかけた。


「お構いなく」


「うわぁー、ここが先生の部屋なの？　すごく本がいっぱいあるね」


　太一はきょろきょろとあたりを見回す。

そして興味深げに見てくる冴島へ話しかけた。