Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


四


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「いえいえ、お気になさらず。

デリケートな問題なので僕もよく方々から断られてるんですよ」

「ありがとうございます」

　微苦笑しながら弁明する冴島に野木崎が礼を言う。

涼介は軽い口調で済ませているがこれが冴島の本音であることがわかった。

（あーやっぱり知りたくてたまらないんだなあ……）

　しみじみとしていると、唐突に頬へ風が掠める。

「先生質問！」

　元気な声に視線を向けると、太一が冴島に向かって手を挙げていた。

「はいはい、何かな？」

　冴島が太一へ向かい口元を綻ばせる。

「データってどんなデータを取ってるの？」

　太一の質問に冴島が腕を組んだ。

「うーん、早い話が黄梅に伝わるいろんな昔話を集めて、

どうしてその話が広まったのかなあ、とかを調べてるんだよ」

　なるべくわかり易いよう気をつけて答えているが、

あまり親切とは言えない説明だった。

もう少し噛み砕いたほうがいいだろうか。

フォローしようと太一へ向き直ると、太一が小首をかしげた。