Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


四


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「そうかあ、僕も野球好きだから残念だけど我慢するしかないなあ」


　冴島の言葉に太一は身を乗り出す。


「先生も野球が好きなの！　一緒だね」

「ああ。

時間がある時は許可証を申請して都にもでてるくらい好きだよ」

「すごい！　いいなー」


　まさかテレビ中継ではなくスタジアムに行って

生で試合観戦するほどのファンだとは予想していなかった。

子供である自分は簡単に行くことができない都へ行けてしまう冴島を

太一は羨望する。


「お！　それじゃあよかったら今度一緒にど……」

「先生、そんなことより本題に入ってくださいよ」


　丸山が会話をぶった切るようにして割り込んでくる。


「あーはいはい」


　冴島が肩を竦め、持っていた本を開いた。

ページをパラパラとめくる音だけが聞こえる中、

おもむろにその手が止まった。

それを見計らったかのように涼介が話し出す。


「太郎信仰の話は雪姫伝説とほとんど一緒だと思ってたんですが、

違うんですか？」


　涼介は冴島と対面するように体の向きを変え、

まっすぐ彼を見据えた。