Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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 一気に入ってきたさまざまな情報に、みのりは頭を抱える。


(一体何が起きてるっていうのよ……)


 雪姫の求めるかき氷の手掛かりを探しにきたはずが、

違うものを掘り出してしまったみたいだ。


「……さ…………ん……」


 ふいに聞こえてきた足音と誰かの声にハッと我に返る。

頭の整理に没頭しすぎていたらしい。満が去った後も廊下で

項垂れていた麻里の姿がいつの間にか消えている。


「やだ、あれからどのくらい経っちゃったのかしら?」


 中々戻らない自分を心配して、誰かが探しにきたのかもしれない。

みのりは声のするほうへ身体を向ける。


「みのりさんはどこですか、みのりさん? みのりさん!」


 やはり捜索されていたようだ。みのりは手をあげて、居場所を

知らせようと口を開く。だが、皆を従えてずんずんと先頭を歩く人物を

目にし、瞠目した。


「え? なんで?」


 八蜘蛛神社へ行って、手掛かりを探っているはずではなかったの

だろうか。それとも見つけ出した報告をしに来たのだろうか。

それにしては涼介の表情が険しい気がする。肩を怒らせながら

近づいてくる涼介の姿に、みのりは逃げ出したくなった。










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