Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
一
@
一気に入ってきたさまざまな情報に、みのりは頭を抱える。
(一体何が起きてるっていうのよ……)
雪姫の求めるかき氷の手掛かりを探しにきたはずが、
違うものを掘り出してしまったみたいだ。
「……さ…………ん……」
ふいに聞こえてきた足音と誰かの声にハッと我に返る。
頭の整理に没頭しすぎていたらしい。満が去った後も廊下で
項垂れていた麻里の姿がいつの間にか消えている。
「やだ、あれからどのくらい経っちゃったのかしら?」
中々戻らない自分を心配して、誰かが探しにきたのかもしれない。
みのりは声のするほうへ身体を向ける。
「みのりさんはどこですか、みのりさん? みのりさん!」
やはり捜索されていたようだ。みのりは手をあげて、居場所を
知らせようと口を開く。だが、皆を従えてずんずんと先頭を歩く人物を
目にし、瞠目した。
「え? なんで?」
八蜘蛛神社へ行って、手掛かりを探っているはずではなかったの
だろうか。それとも見つけ出した報告をしに来たのだろうか。
それにしては涼介の表情が険しい気がする。肩を怒らせながら
近づいてくる涼介の姿に、みのりは逃げ出したくなった。
GPの部屋に戻る 次を読む
|