Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





B




「ふふふ。さて、少しは落ち着いたようだな」


 雪姫が愉快げに口角をあげる。


「ええっと、はい……一応……」


 涼介は控えめに首を縦に振る。

すると、太一が雪姫へ近づき、着物の裾を掴んだ。


「ねえねえ雪姫様。さっきかき氷食べたから大きくなったの?

あれってそんなにすごいかき氷なの?」


 怖いものなし、と言った様子の太一を前に、涼介は目をしばたたく。


(俺だったら固まってたなあ、きっと)


 小学生だから、というより、太一だからなのではないだろうか。


(すごい子だなあ)


 一人頷いていると、横でこそこそと声がする。


「さすが小学生ね」

「ですね……」


 冷静な女性陣の会話が耳に入り、涼介は内心で首をかしげる。


(なんでそんなに泰然としてられるんだろう?)


 それが女性の強さというやつなのだろうか。


(みのりさんもそうなのかな?)


 ちらりと視線を送るも、

彼女が気付いてくれる気配はないままだった。










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