Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





E




「梅田?」


 苗字が梅宮ではないことに疑問を抱いたのだろう。

紅が小首をかしげる。その声に、雪姫を見つめていたのみが顔をあげ、

紅をまっすぐ見据えた。


「ええ。従兄弟の元へ嫁いだものですから」

「ええっと? それって昔ってことですか?

それもとんでもなくってことですよね?」


 見つめ合う紅とのみの間を割くように、麻里が素っ頓狂な声を

あげる。彼女の言葉を皮切りに、ポカンと口を開け固まっていた

芽衣子と野木崎が騒ぎ出す。


「大変だわ! ホラーだわ!」

「ファンタジーよ。というか、この種を植え始めてからこんなこと

ばっかりよ。実を食べた鳥を追いかけたり、

獣人の人に追いかけられたり変な踊りを踊らされたり」


 だんだんと管を撒き始める野木崎を止めるかのように、

飛田が話しを戻した。


「でも、当代ってことは世代交代するってことなんじゃ

ないのかな?」


 はにかみながら芽衣子へ話しかける飛田の声音は落ち着いている

ようにも感じる。だが、その手は少し盛り上がり始めた頭上を

なでていた。










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