Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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(結構エグいな……)


 個人の自由より記憶が優先ということか。

のみはそんな人生を甘受しているらしいが、辛くはないのだろうか。

ぼんやりとのみを眺めていると、太一が袖を引いてくる。


「黄金梅はすごいってことでしょう」


 太一の言に涼介は言葉を詰まらせる。

すごいと言えばすごいが、幸せの象徴とも言えない気がする。

一体なんと言って説明すればいいだろうか。

悩んでいると、みのりが重ねて尋ね始めた。


「つまり、黄金梅を実らせることができるってことですか?」


 確信を突く言葉に太一が嬉しげに飛びあがる。


「本当! わーい。早く実らせよう!」


 だが、のみが歓喜の声をあげる太一に水を差した。


「いえ、まだ実らせることはなりません。最後の試練がございます」


 厳かな声音で告げられ、一気に緊張が走った。


「最後、試練」


 紅が慎重な面持ちで呟くのが聞こえる。

涼介は緊張で固くなった身体を緩めるため、一つ大きく深呼吸をした。










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