Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





ID




(違うわ。野木崎さんたちの考えが正しんだわ……)


 黄金梅の第一関門は6人が同時期に種を植えることなのかもしれ

ない。そう考えれば種を植えたあと、比較的にスムーズにことが

運んだことも説明がつく。山波や涼介、他のメンバーが種を植えて

いたからこそ今に繋がっている。彼らが種を植えていなければ、

雪姫は出現していなかっただろうし、梅田のみの登場もなかった

だろう。


「そんな……」


 誰か一人でも欠けていたら、その時点で自分の願いは叶えられ

なかったかもしれないのだ。みのりは薄氷の上に立っているかの

ような感覚に、ぞっとした。だが小さくこぼれた声は雪姫の

あっけらかんとした言葉にかき消される。


「また黄金梅を集めれば別の願いが叶うマロ」

「そんなに何度もこんなことやっていられませんよ」


 苦笑する涼介に、雪姫がきょとんとした顔を向けた。


「そうマロ?」

「ええ。とっても大変ですからね」

「ふん……」


 涼介が頬を指先でひっかきながら雪姫の相手をしている。

その傍らで、山波が眉間に皺を寄せそっぽを向いた。










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