Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
六
ID
(違うわ。野木崎さんたちの考えが正しんだわ……)
黄金梅の第一関門は6人が同時期に種を植えることなのかもしれ
ない。そう考えれば種を植えたあと、比較的にスムーズにことが
運んだことも説明がつく。山波や涼介、他のメンバーが種を植えて
いたからこそ今に繋がっている。彼らが種を植えていなければ、
雪姫は出現していなかっただろうし、梅田のみの登場もなかった
だろう。
「そんな……」
誰か一人でも欠けていたら、その時点で自分の願いは叶えられ
なかったかもしれないのだ。みのりは薄氷の上に立っているかの
ような感覚に、ぞっとした。だが小さくこぼれた声は雪姫の
あっけらかんとした言葉にかき消される。
「また黄金梅を集めれば別の願いが叶うマロ」
「そんなに何度もこんなことやっていられませんよ」
苦笑する涼介に、雪姫がきょとんとした顔を向けた。
「そうマロ?」
「ええ。とっても大変ですからね」
「ふん……」
涼介が頬を指先でひっかきながら雪姫の相手をしている。
その傍らで、山波が眉間に皺を寄せそっぽを向いた。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|