Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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「6人で飲まないとダメなのに、ケチ臭いわね」

(この人たちの協力が最後まで必要だってことは納得したとして、

問題はどうやって自分の願いを叶えるかってことよね……)


 ぶつぶつ文句を言う律子の声を聞き流しながらみのりは今後の

動きを考える。麻里が小さく手を揺らしながら挙手をしてきた。


「あの……。みんなのお願いを合わせてうまい具合に一つに

まとめれば全部叶うんじゃないでしょうか?」

「あ、そうか! そうだよね。

よく話し合ってくださいって言ってたもんね」


 太一が麻里の意見に飛び跳ねる。のみがそれを微笑ましそうに

見ていた。


「皆様で話し合っていただき、心を1つにすれば黄金梅は

実りますよ」

(山波さんは私のことを立ててくれているみたいだから

お願いしたら賛同してくれるかしら?)

「心をねえ……」


 山波の呟きに、みのりは彼を窺い見る。山波は嫌悪を含んだ

眼差しを紅へ送っていた。

何かよからぬことを考えているのだろうか。みのりは山波の表情に

一抹の不安を覚えた。山波を凝視していると、おもむろにのみが

声をあげた。


「では参りましょう」

「え、どこにですか?」


 みのりがまばたきを繰り返しながらのみへ目線をやると、彼女は

なんのてらいもなく行き先を告げた。


「梅願神社です」

「本家ですか?!」

「え、これから、ですか? だって話し合いをしろって……」


 驚きの反応を見せた涼介と野木崎に、

のみは表情を変えることなく話しを続けた。


「ええ。もちろんです。

私の務めの中には梅願神社への案内もありますので」










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