Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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「さっきからバカの一つ覚えみたいに……」


 いい加減勘弁してもらいたい。

急にじっと見つめてきたかと思えば、またこの押し問答の繰り返しだ。


(しかもずっと見てるって何よ! ずっとってことは一生ってこと

なのよ。見合いなんて断るって言ってたくせに嘘つき!)


 動揺をさせるだけさせといて、本当に腹立たしい男だ。


(それにお母様のことだってそうよ。

きっと私が追及しなかったら有耶無耶にするつもりだったんだわ)


 みのりは眉をしかめた。このままでは腹の虫が治まらない。

何かいい方法はないかと思考し、ピンッときた。


「そういうあなたは逃げないで、裸でぶつかったさぞ素晴らしい

人生だったんでしょうね!」


 嫌味っぽく聞こえるように涼介を見上げる。長男の言いなりに

なるような男だ。涼介だって本心を言ってこなかったに違いない。


(口ごもって、たじろげばいいのよ)


 しかし、予想に反して涼介は間髪入れずに応えてきた。


「俺もこれからぶつかるのさ」


 彼は言い切ると、自嘲気味に肩を竦める。

そして、ふぅつと短く息を吐いた。










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