Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
七
D
「ご、ごめんなさい。私も一緒に事情話しますから」
「あー、これが原因であの子たちがグレちゃったらどうしよう……」
麻里の言葉を聞いているのかいないのか。さらに喚き出す野木崎に、
みのりは苦笑した。
「まったくだ」
山波がまたしても野木崎の言葉に同意してくる。
みのりは目を見張った。
(芽衣子さんは大人なんだからグレるはずないと思うんだけど……)
そもそも彼女はさっきまで同じ場所にいたのだから事情もわかっている。
野木崎の子供とは全く違う立場だ。
(もしかして山波さんってば疲労のせいで適当に相槌を打ってるの?)
このまま無事に目的地までたどり着けるのだろうか。
みのりの心配よそに、後ろから太一と涼介の楽しげな会話が聞こえてくる。
「なんでおばちゃんはカケルに言ってないの?
話してれば一緒に行けたのに」
「太一君、カケル君には雪姫様が見えないから一緒には行けないんだよ」
「あ、そっかー。そうだよね」
(本当だったら私と碧と紅の3人で実らせるはずだったのよね)
2人の話を聞くともなしに聞いていると、一番後ろを歩いているはずの
碧の声が耳に届いてきた。
「そう言えば、先ほど梅田のみさんが言っていた
話し合いの件についてですが、皆さんは黄金梅に何を願う
おつもりなのですか?」
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