Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
七
F
「私も、あの、色々と考えるところがあるので、
共存できたらいいなって思ってます!」
無意味に拳を握り締める小越に苦笑しながら、
涼介は口の端に笑みを浮かべた。
「味方が多いのはありがたいですね」
あとは山波が自分たちの意見に納得してさえくれれば、問題はない。
(けど、どうしたらいいんだろう……)
考えを巡らせていると、黙っていたみのりがおもむろに声をあげた。
「私は……私は黄金梅をなくしたいと願うつもりです」
寝耳に水の話に、涼介は目を点にした。
「なんですと!? ありえん!!」
真っ先に反対を表明したのは山波だった。
「そんなことしたら、ばぁちゃんに花を見せられなくなっちゃうよ」
鼻息荒くみのりを見やる山波に呼応して、
悲痛な声をあげたのは太一である。
「側近さんたちはそれでいいの?」
紅と碧を交互に見やる野木崎に紅と碧は首肯した。
「お嬢さまが望むなら」
「ええ。紅の言う通りです。
もともとお嬢様の願いを叶えるために始めたことですからね」
当然だ、と言わんばかりの2人を見て、涼介は考える。
確かにみのりの意見には一理あったからだった。
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