Gold Plum

第五章


自覚


〜みのり＆涼介の場合〜


七


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　すべての争い事はあの黄金梅にある。

それを失くしてしまうように願うのだから、余計な諍いがなくなって

いいのではないか。

涼介は顎に手をあて考える。

すると、小越がおずおずと手をあげた。


「私もいいんじゃないかと思いますけど……」


　麻里の意見に迷いつつ、涼介は自分の考えを口にする。


「うん。なくさなくても共存できるとは思うけど……。

まあ、それがみのりさんの願いなら構わないかなあ。

あ、でもそうすると太一君が困っちゃうか……」


　思考があちらこちらに行ってしまい、一つにまとまらない。

さて、みのりと太一、

どちらもが幸せになる願いとはどんなものだろう。

思案していると、野木崎が叫んだ。


「そんなのダメよ！　黄金梅がなくなったら黄梅はどうなるの？

獣人たちはもっと迫害されてしまうじゃない！！」


　いきり立つ野木崎へ真っ向から異を唱えたのはみのりだった。

「黄金梅があるから獣人たちが差別されているんです。

これは黄金梅に守られるようになった人間たちが選民思想を抱いてしまった

結果だと私は考えています。それさえなくなれば差別はなくなるはずです」


　みのりは熱弁を振るう。

だが、山波は彼女の言葉を一蹴した。