Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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「うーん。そうですねぇ……。

確かに新しいことをするとなるとそれなりの反発もあるとは思います。

でもやるからには必ず実現できるようにします。何年かかっても絶対。

……それでは、駄目でしょうか?」


 涼介は野木崎へ提案するが、答えたのは山波だった。


「まあ、やれるって言うならやってみればいいさ」


 どこか捨て鉢な物言いを怪訝に思っていると、

野木崎が山波の言葉を覆い隠してしまう。


「実現できるようにするですって?

今現在梅八家のあなたは何もできていないじゃない!

それに梅畑君には獣人の身内がいないから簡単に言えるのよ」


 興奮したように声を荒らげる野木崎の発言に、涼介は眉根を寄せる。


「それはさすがに心外ですね。俺にだって直接ではないですが、

梅八家、いえ、我が家で家族同然に働いてくれている獣人の方たちもいます。

その人たちが安心して暮らせるように、

これから変えていくってことじゃ駄目なんでしょうか?」


 だいたいここには紅だっているのだ。

いくらなんでも言いすぎだろう。

涼介は、自宅でメッセンジャー役を勤めてくれている

雀の獣人を思い浮かべつつ反論する。

だが、野木崎も引く気はないようで、

噛みつかんばかりの顔で睨み据えてきた。










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