Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
七
IE
「そこまで言うなら黄金梅をなくさないで差別をなくしてみせなさいよ」
冷静さを欠いた調子で鼻を逸らせる律子を前に、涼介は戸惑う。
「それはそうなんですが……」
色々と文句は言う人だが、
ここまで感情を露わにする人物でもなかったはずだ。
さて、どう説得したものだろう。
考えあぐねていると、おもむろにみのりが口を開いた。
「皆さんの意見はわかりました。それならこうしましょう。
黄金梅への願いは『みんなが幸せになるように』と唱える
というのはどうでしょうか?」
みのりの提案へ真っ先に賛同したのは山波だった。
「あーいいんじゃないですかねぇ、もうそれで」
ひらひらと手を振る山波の様子には、やはり違和感を感じる。
(全然納得してるように思えないんだが……)
ここはきっちりと彼の本心を問いただすべきだろうか。
だが、それでさらに問題が大きくなってしまうと、
みのりの悲願が達成されない。
(まあ、みのりさんの言う通りに願えば、誰にとっても
問題にはならない、かな……?)
いまいち自信が持てず俯いていると、太一がみのりの傍へ寄った。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|