Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





C




「当然だ! 俺達は梅八家の皆様からのお達しでそのお手伝いを

しているんだ。いい加減な気持ちでできるもんじゃない。

まるで年寄りの寄り合いみたいなことを言ってくれるな!」

「守る会はもちろんのこと、黄梅のために尽力してくださっている

有志の方々には本当に感謝しています」


 みのりは、鼻息を荒くし今に襲い掛かってきそうな山波を宥め

すかした。見事、功を奏したようだ。山波が恐縮ですと、

言わんばかりに白髪交じりの髪の毛をなで頭を下げた。


「……それは、……なんとももったいないお言葉で……」

「うわぁ、褒めたつもりが藪蛇だったわー」

「ですね……」


 小声で話しているつもりなのだろう。しかしまったく小さくなって

いない野木崎と麻里の会話に、みのりはハラハラさせられる。


(もう、せっかく収まったんだから余計なこと言わないでよね)


 ちらちらと山波の表情を窺っていると、

雪姫がのみの肩に腰をかけて話に加わってきた。


「守る会はわらわも知っているマロ!」

「そうですね。

雪姫様と兄様をお守りするために結成された組織でしたね」

「ふん」


 相槌を打つのみの返答に自尊心がくすぐられたのかも

しれない。山波が胸を張って、鼻を鳴らした。










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