Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
八
C
「当然だ! 俺達は梅八家の皆様からのお達しでそのお手伝いを
しているんだ。いい加減な気持ちでできるもんじゃない。
まるで年寄りの寄り合いみたいなことを言ってくれるな!」
「守る会はもちろんのこと、黄梅のために尽力してくださっている
有志の方々には本当に感謝しています」
みのりは、鼻息を荒くし今に襲い掛かってきそうな山波を宥め
すかした。見事、功を奏したようだ。山波が恐縮ですと、
言わんばかりに白髪交じりの髪の毛をなで頭を下げた。
「……それは、……なんとももったいないお言葉で……」
「うわぁ、褒めたつもりが藪蛇だったわー」
「ですね……」
小声で話しているつもりなのだろう。しかしまったく小さくなって
いない野木崎と麻里の会話に、みのりはハラハラさせられる。
(もう、せっかく収まったんだから余計なこと言わないでよね)
ちらちらと山波の表情を窺っていると、
雪姫がのみの肩に腰をかけて話に加わってきた。
「守る会はわらわも知っているマロ!」
「そうですね。
雪姫様と兄様をお守りするために結成された組織でしたね」
「ふん」
相槌を打つのみの返答に自尊心がくすぐられたのかも
しれない。山波が胸を張って、鼻を鳴らした。
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