Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
八
G
「ないような気がしますけど、
でも獣人さんに可愛いところがあるのは私も同意です」
「いや、獣人が可愛いのはわかるけど、ってそうじゃなくてね」
早く事を進めたいのだろうなあ、とズレた会話をぼんやり眺める。
この2人、これでもたまにいいコンビネーションを見せたりするのだが。
(不思議な関係だよなあ)
黄金梅絡みとはいえ、どういった経緯で知り合ったのだろう。
(今度野木崎さんに訊いてみよう)
などと問題とは全く関係のないことを考えていると、
碧に肩を叩かれた。
「涼介君? 君、ちょっと近すぎじゃないかなー?」
「へ? そ、そうですか?」
一体何に近いのだろう。
慌てて周囲を見ると、目前にみのりの横顔が飛び込んでくる。
(ヤベッ!)
これでは紅の発言にかこつけて、
ちゃっかりみのりの傍へ寄っていったように見えてしまう。
(これ以上みのりさんたちの恋路を邪魔しちゃ駄目だってのに!)
急いで飛び退くと、なぜか紅が碧へ抗議した。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|