Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





G




「ないような気がしますけど、

でも獣人さんに可愛いところがあるのは私も同意です」

「いや、獣人が可愛いのはわかるけど、ってそうじゃなくてね」


 早く事を進めたいのだろうなあ、とズレた会話をぼんやり眺める。

この2人、これでもたまにいいコンビネーションを見せたりするのだが。


(不思議な関係だよなあ)


 黄金梅絡みとはいえ、どういった経緯で知り合ったのだろう。


(今度野木崎さんに訊いてみよう)


 などと問題とは全く関係のないことを考えていると、

碧に肩を叩かれた。


「涼介君? 君、ちょっと近すぎじゃないかなー?」

「へ? そ、そうですか?」


 一体何に近いのだろう。

慌てて周囲を見ると、目前にみのりの横顔が飛び込んでくる。


(ヤベッ!)


 これでは紅の発言にかこつけて、

ちゃっかりみのりの傍へ寄っていったように見えてしまう。


(これ以上みのりさんたちの恋路を邪魔しちゃ駄目だってのに!)


 急いで飛び退くと、なぜか紅が碧へ抗議した。










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