Gold Plum

第五章


自覚


〜みのり＆涼介の場合〜


八


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　みのりは、率先して同意してくると思っていた山波から、

まさかあんな物言いをされるとは想像もしていなかった。

それほどさっきの話し合いが腹に据えかねているのだろうか。


（山波さんの機嫌、やっぱり私じゃ直せないみたいね……）


　この場所に芽衣子と飛田がいればまた違った状況になっていた

かもしれない。そう思うと、みのりは自分の運のなさにがっくりと

肩を落とした。


（なんて説得すればいいかしら？）


　山波を窺いながら黙考していると、おもむろに野木崎が一歩前へ

出た。


「そんなこと言って山波さん、あなた怪しいですよ？」


　サスペンスドラマの刑事か探偵のつもりだろうか。

野木崎が仁王立ちで、山波をじっと見据えた。そんな彼女の迫力に

負けじと、山波も眉間に皺を寄せ応戦する。


「怪しいって、何がだ？」

「だってさっきから何も言ってないじゃないですか！」


　何か証拠があっての発言だと思っていたが、違っていたようだ。

みのりは野木崎の的外れな意見に頭を抱えたくなる。


（もう、ただ黙っていたからって犯人扱いされたらたまったもの

じゃないわ……）

「そんなこたねえよ」


　当然、山波は否定してきた。