Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





F




「うん。なら、碧さんたちと一緒にいたほうがいい。

なんなら本家に戻るのでもいいし」

「本家には戻らないって言っているじゃない!

それに碧と紅は私と一緒についてきてくれるわ。ねえ、そうよね?」


 間髪を入れずに涼介へ告げる。そしてそばに控えている碧と紅へ

視線をやった。真っ先に頷く紅の隣で碧が左掌を胸元へつけ、

恭しく頭を下げる。


「ええ。僭越ながらお供させていただきます」


 碧の言葉に涼介が意思を曲げた。嫌々首を縦に振っている、と

言わんばかりに間を開けて承諾を口にした。


「……わかったよ」

(なぜかわからないけど、涼介が碧のことを尊敬してくれて

本当良かったわ)


 そうでなかったら認めないと言って、まだごねていたに違いない。

みのりがホッと胸をなで下ろしていると、太一が会話に加わってきた。


「ねえねえ、これからお兄ちゃんの家に行くの? やったー!」


 瞳を輝かせ、嬉しそうに飛び跳ねている。

遊びに行くわけではないのだが、太一にしてみたらどちらでも

同じことなのかもしれない。

みのりが肩を竦め苦笑していると、涼介が慌て出した。










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