Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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「碧さん。実はちょっと、先にお話したいことがあるんですが、

ちょっとだけ時間もらえませんか?」


 涼介が緊張した面持ちで碧へ話しかける。碧が人の良さそうな

柔和な笑みで頷いた。


「ええ、いいですよ」

「ありがとうございます」


 碧の返答に心底ホッとしたというような顔で涼介がお辞儀する。


(何の話をするのかしら?)


 みのりは彼らの話に耳をそば立てようとする。

しかし、それを拒むかのように涼介が碧を連れ出そうとした。


「それじゃあ、ちょっとこっちへ」

「はい」


 素直に従う碧と歩きながらふいに涼介が振り返る。


「みのりさん、ちょっと碧さん借りるよ。

みんなと少しだけ待っててくれないかな?」


 せっかく盗み聞きしようと思っていたのにその目論見は見事

外されてしまった。みのりは涼介たちを引きとめることができず、

可愛くない態度をとる。


「え? ちょっと急いでよね」


 とっさに取ってしまった自分の行動に後悔するが、

涼介は気にした様子もなく碧を誘導しながら礼を言ってくる。


「ああ。ありがとう」


 みのりが普通の態度をしてくる涼介に謝ることもできず

あわあわしていると、野木崎が彼を引きとめた。










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