Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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「そうよね。

でも現実問題として小越先生は学園で教師をしているし、

高松さんは普通に入市できてるわ。しかもあの人……」


 言葉を切って俯いてしまう。


「どうかしたのかい?」


 何かをためらっているらしいみのりの背中に、

涼介はそっと手を添えた。


「あの人……梅宮の人間らしいの。

ねえ、それってお父様が浮気をしたってこと?

うちの親子関係はとっても変だけど、でもお母様とお父様の仲は、

私がうらやましいと思うほどに、良いのよ。

それなのにお父様はお母様を裏切っていたっていうの?」


 顔をあげたみのりは幾分感情的だった。

だが、いつもの高飛車な物言いとは違い、至って弱々しい。

なんとか力になれないものか。_

そうは思うが、ただの慰めならば意味もない気がする。

涼介はみのりが発した言葉の意味を考えてみた。


(忠臣さまが浮気……。あの忠臣さまが?)


 美都子と忠臣の仲睦まじさは世間でも有名だ。

涼介も何度か2人でいるところを見たことがあるが、

本当に羨ましいくらいに仲がよかった。

そもそも、先程自らの見合いのことを話す美都子からは、

忠臣に対して何か思うところがあるようには少しも見えなかった。










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