Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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 手をつないだまま部屋に入る。

文句を言われないのを良いことにそのままでいたのだが、

本当のところどう思っているのだろう。


(碧さんに見られると誤解されるんじゃないのか?)


 そう危惧しながらも手を離すことができずにいる。


(なんでか知らないけど靴も片手で揃えてくれてたしな……)


 友人として認めてくれたということだろうか。

悶々となりながらもみのりについていくと、

やがて一間廊下の先の一際大きなふすまにたどり着く。

みのりがゆっくりふすまを開けると同時に、その声は聞こえた。


「お、ご両人のお出ましだ。ずいぶんと時間がかかったなー」

 目尻が鋭い印象の老人が、容姿とは真逆な、

のんびりとした口調で話かけてくる。


「ちょっと朔ちゃん、そんな野暮なことは聞いちゃダメよ。

二人の秘め事なんだから」


 背の低い可愛らしい印象の老婆が窘める。

言葉の内容には引っかかりを覚えたが、まずは謝罪が先だろう。

涼介はみのりの手を離し、頭をさげた。


「先程は大変申し訳ございませんでした」


 深々と頭をさげるも、それに対する答えはない。

代わりにみのりの慌てた声が聞こえた。










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