Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
三
D
「みのり様もそこの青年もプリン持ってきたから、座って食べー」
入り口付近で紅と話していると、野臥間が割り込んできた。
涼介が両手で抹茶色の容器を受け取り、頭を下げる。
「あ、ありがとうございます」
(涼介どこに座るのかな?
さり気なく隣に座るのってありかしら?)
眼の端で彼の行動を窺っていると、太一が突如大きな声を出した。
「ぼくもう大人だよ。
お兄ちゃんとみのり様がラブラブだって知ってるんだから!」
それぞれが自由に話していたざわめきが一瞬にしてなくなる。
みのりは恥ずかしさから口の開閉を繰り返す。
その間に涼介がすぐさま訂正してきた。
「ら、ラブラブじゃないよ! 太一君!」
大げさに顔と手を横に振る青年に、みのりは肩を落とす。
(やっぱり嫌われてるんだ……)
あんな態度をとってきたのだから当然の結果だ。
自己嫌悪に陥っていると、嬉々とした様子で麗が口を開く。
「あらあら、なかなかの慧眼ね」
恋の話にはしゃぐ女子高生のようなテンションで太一を見る
老女の姿にみのりは血の気が引いた。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|