Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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 一人で悶々としている間に高松は、麗との話を終えてしまって

いたらしい。朔太郎がよいせっとと、ちゃぶ台に手を置きながら

立ち上がった。


「にしたって、ここから人間たちが住むエリアまで歩くのは

大変だろう。わしもお暇するから車で送って行ってやろう」

「いえいえ。お気遣いなく。歩いて帰りたい気分なので」

「遠慮すんなってー」


 ガハハハと笑う朔太郎のあとを、いつの間にか帰り支度を終えた

麗が続いた。


「そうよ。私も一緒に送ってもらうんだから気にしないで」

「麗ちゃんも帰るんだべか?」


 腰をあげようとする野臥間へ麗が手を挙げて制す。


「ええ。私も関係者じゃないですからね」


 ふふふと微笑む麗の横で高松が腰をかがませながら頭へ手をやる。


「いえ、本当にお構いなく。それでは皆さん、失礼いたします」

「それじゃ、みのり様、何かありましたらいつでもいらしてください。

わしらがお味方いたしますから。

いいから、いいから年寄りの言うことは聞いとけー」


 問答無用と言わんばかりに朔太郎は高松の腕を取った。










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