Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
三
IH
「おやおや、僕なんかをそんなふうに思っていただけで光栄ですね」
楽しげな様子で応対してくる碧を前に、涼介は羞恥心でいっぱいになる。
呆れられているのかもしれない。
碧の穏やかな笑顔を見ていられず涼介は視線を落とした。
その間にも野臥間とみのりの会話が続く。
「わかったべ。そんじゃ、わしも部外者だから席を外すべーかの」
「いえ、野臥間さんは関係者のような方なので一緒に
参加していただけると嬉しいです」
立ち上がりかけた野伏間にみのりが告げると、野臥間が動きをとめる。
「いいんだべか?」
周囲を窺う野臥間を見て、涼介は気を取り直す。
そうだ。今は自分のことより黄金梅のことが先だ。
涼介は姿勢を正しながら口を開いた。
「はい。俺では解読できないところがあるのでぜひいてもらえたら助かります」
「解読? 古字で書かれたものが見つかったんだべか?」
あの文章が解読できないことには、目的地へ向かうことができない。
そう思って頼むと、目をまたたく野臥間と一緒に
みのりが驚きの声をあげる。
「え? そうなの?」
慌てて奪った地図を見直すと、みのりはきれいに机の上へ置いた。
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