Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





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「ここが地図に書いてある橋?」


 野木崎が両手をあげ伸びをしながら、前方を指差した。

一直線に繋がっている橋がオレンジ色に染まっている。

野臥間の家を出たあと早めの夕食を摂ったおかげで、時刻はまだ

夕方に差し掛かったばかりだ。普通なら車が複数走っていても

おかしくない道路は、獣人たちの居住区との境にある橋だからか、

1台もなかった。


(飛田さんが車を出してくれて本当によかったわ)


 みのりが道路の端に停車し直している飛田の車を眺めていると、

涼介が腕を回しながら野木崎の隣に立った。


「そうみたいですね」


 周りを見ると、みんな車内で凝り固まった体をほぐしている。

だがそれも無理もない。飛田が乗ってきた車は野臥間の家に連れて

行ってもらったときと同じ黒い車だった。

その車に運転手である飛田と助手席に座っていた山波の娘を含め、

合計10人が乗り込んでここまできたのだ。

明らかに定員オーバーだったが、太一が涼介の膝の上に座るという

荒技と比較的に小柄な女性が多かったことが幸いしてなんとか

無事に到着することができた。


(太一君が小学生で本当に良かったわ)


 みのりは、胸の内で感謝しながら一際大きな声を出している

太一を見つめた。










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