Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
四
E
「娘! わららの氷はどこまろ?」
雪姫の言葉に芽衣子が戸惑った声音で答える。
「氷? 氷って言ったらコンビニにあるんじゃないかしら?」
「コンビニの氷じゃダメなんだって」
「そうなの? それじゃあ困っちゃうわね……」
太一の言葉に芽衣子が眉根を寄せる。
考え込んでしまう一同を見上げた雪姫が、悲しげに呟いた。
「わらわの氷……」
そうなんだよー、と芽衣子に相槌を打っていた太一が、
何やら思いついたように雪姫を見た。
「あ、そうだ。雪姫様、この橋に何かあるの?」
地図を指差す太一に雪姫が首をかしげる。
「橋マロ?」
キョロキョロと周りを見渡し机の上の地図に目を止めた。
「うん。この橋の地図が出てきたんだ。それでここまで来たんだよ」
太一の説明を聞いて、雪姫がゆっくりと立ち上がる。
その様子をずっと見守っていたらしい飛田がおずおずと口を挟んだ。
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