Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





G




「そうねー。

なんだかあっちは色々忙しそうだから私たちで組み立てちゃう?

ねえ、山波さん」


 野木崎の提案に山波が頷く。


「そうだな。さっさと作っちまおう」


 言うが早いかしゃがみ込み3人で何やら作業を始めてしまう。

それなら自分も手伝いに行こう。

移動する前に碧へ挨拶代わりにフォローを入れる。


「紅さんはお兄さんの碧さんのことがとっても好きなんですね」

「君にもわかるのかい? さすがは涼介君だね。

紅はとっても僕のことを思ってくれているんだよ」


 なぜか予想以上に碧の瞳が輝き涼介は戸惑う。


(あれ……? もしかして、みのりさんってまさか片思い?)


 てっきり両思いだと思っていたのだが。

それが勘違いだとすると、碧には別に相手がいるということだろうか。


(待て待て待て)


 そういえば、そういった具体的な話は今まで聞いたことがない。


(だとすると、紅さんはなんで俺たちに割って入ってくるんだろう?)


 涼介は腕を組む。

やはりどう考えても2人はもう両思いなのではないだろうか。

だが、おそらくまだお互いに想いを告げていない、ということなのだろう。


(それじゃあ紅さんも碧さんも必死になるってもんだよな)


 一人頷いていると、妹にじゃれつこうとしていた碧が紅本人に退かれた。










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