Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
四
G
「そうねー。
なんだかあっちは色々忙しそうだから私たちで組み立てちゃう?
ねえ、山波さん」
野木崎の提案に山波が頷く。
「そうだな。さっさと作っちまおう」
言うが早いかしゃがみ込み3人で何やら作業を始めてしまう。
それなら自分も手伝いに行こう。
移動する前に碧へ挨拶代わりにフォローを入れる。
「紅さんはお兄さんの碧さんのことがとっても好きなんですね」
「君にもわかるのかい? さすがは涼介君だね。
紅はとっても僕のことを思ってくれているんだよ」
なぜか予想以上に碧の瞳が輝き涼介は戸惑う。
(あれ……? もしかして、みのりさんってまさか片思い?)
てっきり両思いだと思っていたのだが。
それが勘違いだとすると、碧には別に相手がいるということだろうか。
(待て待て待て)
そういえば、そういった具体的な話は今まで聞いたことがない。
(だとすると、紅さんはなんで俺たちに割って入ってくるんだろう?)
涼介は腕を組む。
やはりどう考えても2人はもう両思いなのではないだろうか。
だが、おそらくまだお互いに想いを告げていない、ということなのだろう。
(それじゃあ紅さんも碧さんも必死になるってもんだよな)
一人頷いていると、妹にじゃれつこうとしていた碧が紅本人に退かれた。
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