Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





I




「あー、なるほど。

君のお兄さんは的確に彼を表現していますよ。

それを聞いてお嬢様は勘違いをしてしまっていたのですね。

ククク。おっと、失礼。彼はね、先代当主都実恵様の旦那様。

つまり美都子様のお父様にあたる悟朗様が愛人に産ませた子供なんですよ」



(え? それってとんでもないことなんじゃないのか?)


 確かに予測はしていた。

だが、事実をこうもあっさり告げられてしまっては、

取り乱しようもないではないか。


(つまり、高松氏はみのりさんの腹違いの叔父ってこと、だよな?)


 頭が痛い。

 そんな重要なことを、なぜ我が家の人間たちは隠していたのだろうか。

 こめかみに手をあて呻いていると、碧が声をかけてくる。


「ねえ、君のお兄様が言ったように『腐っても梅宮の血族』でしょう?

何せ、婿養子とはいえ悟朗様は梅宮の分家のそのまた分家の

さらに分家の方ですからね」


 穏やかに語られた言葉を租借して、涼介はがっくりと肩を落とした。










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