Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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「だって満君に告白しなくちゃでしょう？」


　こっそりと耳打ちされ、頬がまたしても熱くなった。


「は、はあ……」


　気恥ずかしさで頭がいっぱいになり、曖昧に返答する。


（ここで説得できなくちゃ、私の想いも伝えられないってこと、よね？）


　本当は言わずにおいたほうがいいのかもしれない。

目の前のこの人は優しいから、

自分が気持ちを告げたらきっと返事に困ってしまうだろう。

でも……。

　麻里は拳を握り、満を見上げる。


「……満さん、一緒にお話聞いていただけませんか？」


　断られることは承知で問いかけると、満が一瞬言葉を詰まらせた。


「……んなこと言われても、俺には聞く必要性を感じねーんだ。

わりーな麻里」


　それはそうだろう。

麻里は内心で満の言に同意しつつも、あえて逆の言葉を発することにした。


「必要性はあります！　すっごく！　はい！」


　本当はない、のかもしれない。

だが、一緒に聞いてほしい気持ちがあるのも本音だ。


（ここは折れてください！）


　たとえ嫌われたままなのだとしても、

彼の心の闇が少しでも晴らせるのならなんだってする。

困惑の色を深める彼の瞳を見つめていると、直実がのんびりとした声をあげた。