Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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（麻里さんのシフォンケーキ美味しそう。

紅茶の茶葉が入っているのかしら？　私もシフォンケーキにすれば

良かったわ。あぁ、でもアップルパイが食べたかったのよね……

一口ずつ交換とかできないかしら？）


　律子が腕を組み、真剣に悩んでいると横合いからそっと腕を

揺すられる。


「律ちゃんどうしたの？」


　心配そうな顔で見てくる直実に面喰う。

パチパチとまばたきをくりかえし、律子は頬へ手をあてた。


「へ？　な、なんでもないです。えっと、すみません。

何の話をしていましたっけ？」

「麻里さんのミルクティーに砂糖を入れるか入れないかって話よ。

ね、麻里さん」


　元気ならいいの。優しい義姉は微笑みながら、麻里へ話を向ける。

まだ砂糖を入れるかどうするか悩んでいるようだ。

じっとロイヤルミルクティーを見つめている。


「でも……って、は！　じゃなくて、そうじゃなくて。

ええと、すみません。我を忘れてました。話したいのは、っていうか、

伺いたいのは紅茶のことではなくてお義姉さんの馴れ初めについて

でして……」


　手のひら広げ激しく横に振りながら話題を修正する麻里へ

直実がポンッと手を叩いた。