Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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「……私は、どうしたらいいんでしょうか……」


　麻里を励まそうとして話した内容は、彼女をさらに悩ませるものに

なってしまったようだ。


（あらら、ますます落ち込んじゃったわ。どうしましょうか……）


　律子は縋るような気持ちで直実を見る。

微苦笑する義姉と目が合った。


「麻里さんがどうしたいのか、自分で決めた方がいいわ。

でも後悔だけはしないようにね」


　直実のアドバイスを噛みしめるように、麻里はゆっくりと頷いた。


「……そうですね。はい。わかりました。

私のほうこそ今日はお２人とも本当にありがとうございました。

今度満さんに会ったら素直に気持ちを伝えてみようと思います」


　伏せていた顔をあげる。どこかすっきりとした表情を見せる

麻里に、律子は嬉しくなった。


「そうこなくっちゃ！」


　もう大丈夫だ。麻里らしく満へぶつかっていくに違いない。

一度覚悟を決めた彼女ならば、脇目もふらずに突き進んでいくだろう。

律子はほっと胸をなで下ろし、食べかけのアップルパイを一口食べた。

少しだけ酸味の残るリンゴの甘い香りが鼻に抜ける。

うっとりとしながら咀嚼し、ふと思いついた。


「そういえば、さっきの話に戻っちゃうんですけど、

お義姉さんがお義兄さんを好きになったってことなんですよね？

お義姉さんから告白したんですか？」