Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





B




(セキュリティーの解除ってそうやるのね)


 実家にももちろんこの手のシステムがあるのは知っている。

よくはわからないが、きっと涼介の家よりも厳重なセキュリティーが

設置されているはずだ。だが、いつも何もせずに家の中へ入れたため、

セキュリティーを解除する場面を見たことがなかった。


(家出する前に1度くらい試してみれば良かったわね)


 数日前までは、なんでも一人でできると思っていた。しかし実際は

そう簡単なものではなかった。むしろ何もできなくて、碧や紅は

もちろんのこと涼介たちに頼ってばかりだったように思う。

今もそうだ。涼介が当たり前のようにセキュリティーを解除しようと

しているが、自分だったらまずそこで躓いていただろう。


(私ももう少し1人でできるようにならないとね)


 みのりがこれまでのことを振り返って反省していると、ピーという

機械音が聞こえてきた。ようやく解除されたのかと思い、涼介の顔を

見る。だが、そこには困惑した様子で首をひねる青年の姿があった。


「あれ? おかしいな?」


 何か問題があったのだろうか。みのりは扉に手をかけ固まる涼介へ

声をかけた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む