Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
B
(セキュリティーの解除ってそうやるのね)
実家にももちろんこの手のシステムがあるのは知っている。
よくはわからないが、きっと涼介の家よりも厳重なセキュリティーが
設置されているはずだ。だが、いつも何もせずに家の中へ入れたため、
セキュリティーを解除する場面を見たことがなかった。
(家出する前に1度くらい試してみれば良かったわね)
数日前までは、なんでも一人でできると思っていた。しかし実際は
そう簡単なものではなかった。むしろ何もできなくて、碧や紅は
もちろんのこと涼介たちに頼ってばかりだったように思う。
今もそうだ。涼介が当たり前のようにセキュリティーを解除しようと
しているが、自分だったらまずそこで躓いていただろう。
(私ももう少し1人でできるようにならないとね)
みのりがこれまでのことを振り返って反省していると、ピーという
機械音が聞こえてきた。ようやく解除されたのかと思い、涼介の顔を
見る。だが、そこには困惑した様子で首をひねる青年の姿があった。
「あれ? おかしいな?」
何か問題があったのだろうか。みのりは扉に手をかけ固まる涼介へ
声をかけた。
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