Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
E
「機械のトラブルか何かだったのかしら?」
「さあ、どうでしょうね」
みのりが首をかしげると、碧が顎へ手をあてる。
含みを持った言葉に内心で胃が縮む思いだ。
何しろあの長兄の考えることだ。ろくでもないことに違いない。
(そもそもこの騒動の黒幕である可能性大なんだもんな)
唇を噛み締めていると、碧の横で紅が淡々と繰り返す。
「締め出し」
容赦ない言葉に小さく呻いていると、またインターフォンから声がした。
『お待たせいたしました』
友孝の言葉に凉介は吐息する。
「解除してくれたのか?」
ほっとして確認すると、いいえ、と容赦のない答えが返ってくる。
『雅秋様のご命令により、貴方様を中へお入れすることはできない
とのことで。顔認証など無効とさせていただきました』
「はあ?!」
顔認証まで変える必要がどこにあるのだろう。
金輪際自分の家に入れないということなのだろうか。
どうやって抗議してやろうかと考えていると、事態を見守っていたらしい
みのりが尋ねてきた。
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