Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
一
ID
「……あーと、はい。
そのことについては何も問題ないと思うんですが。すみません。
さっき言ったみのりさんについてのこと、今すぐ
全部忘れてもらえませんか?」
おそらく今自分の顔面は真赤に染まっていることだろう。
辺りが暗くなっていて本当によかった。
内心で溜め息を吐きつつ碧へ向かい一礼する。
懇願するように碧を視線をあげると、碧がにんまりと笑んだ。
「ふふふ。僕、こう見えて記憶力がいいんですよ」
忘れる気はさらさらないらしい。
「うっ! 勘弁してください。お願いします……」
こんなみっともない嫉妬、みのりに知られたら
恥ずかしさで憤死してしまう。
必死になって拝んでみせるが、碧が承知してくれた様子はない。
「ふふふ」
含み笑いで応じてくる碧を前に、涼介はがっくりと肩を落とした。
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