Gold Plum

第六章


対峙


〜みのり＆涼介の場合〜


三


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　市長の妻と梅畑の次男だけが穏やかに会話を続けている。

まるでそれは、２つあるプレゼントのどちらがいいか選んでいる

子供のような無邪気さがあった。

みのりはあまりの展開の速さに頭がついていけず、目を白黒させる。


（なんで涼介を操って私を傀儡にしようなんて物騒なことを考えて

る人の肩を持つの？）


　そもそもなぜ部外者である２人だけで話しているのだろう。

みのりが唖然としていると、隣で涼介がため息をついたのがわかった。


「なんか勝手に話が進んでない？」


　薄々は感じていた事を、確認がてら彼らの家族である涼介に訊ねる。

すると彼は、突如勇んで前へ出た。


「そうはさせない。義姉さん、兄さんたち。

俺たちにチャンスをくださいませんか？」


　ガバリと頭を下げる涼介へ向かい、市長が目を細める。


「チャンスだと？」

「そうです。ただ排除するのではなく、山波さんにもう一度、

きちんと話をさせてください。そして、彼がもう一度これから

どうするのかを選ぶチャンスをください」


　必死に言い募る彼の姿に、みのりは胸を震わせた。