Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





DI




 雅仲の家は、梅畑家の母屋から出てすぐそばにあった。

暗くなっていたため全貌はわからなかったが、和風だった母屋とは

違い洋風な外観に見える。

跡取りではなく次男の家だからなのだろうか。

随分とこじんまりとした佇まいだ。


(小さな家ね。こんな小さくて全員泊まれるのかしら?)


 みのりは不安になり、涼介に確認しようと視線を向ける。

しかし彼は雅仲の先導ですでに中へ入ってしまっていた。

他の面々も次々に上がり込んでいる。みのりは置いて行かれないよう、

靴を脱ぎみんなの後へ続いた。


(これ、廊下って言うのかしら?)


 上がり框(かまち)と続きになっている場所へ足を下ろし、

みのりは首をかしげる。廊下と呼ぶには随分と短い場所を進むと

すぐに階段があった。次々に吸い込まれるように上って行くその場所を

見上げる。人一人分しか進むことのできない狭さにみのりは目を瞠った。


(みんなが何も言わないってことはこれが普通なのよね?)


 先ほどいた母屋もそれなりの広さはあったように思う。

だが、広大な土地とそれに見合うだけの邸を構えている実家に比べれば、

あの家は小さな部類だ。


(あ、でも駅の近くにあったホテルの一室もとても小さかったものね)


 家出当日に宿泊した施設を脳裏に浮かべ、一人で納得する。

みのりは、壁に手を添えながら階段へ足を踏み入れた。










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