Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
DI@
三階部分になるのだろうか。階段を最後まで上り切ると、
暖かな照明が迎えてくれた。みのりは不躾にならない程度に辺りを
見回し、部屋の中へ入る。
(……変わった形の部屋ね)
足を踏み入れた先で目に入った緩やかなカーブがついた壁に、
目を瞬かせた。
(キッチンと食べるところが同じ場所にあるのは知っていたけど、
部屋の形も実家とは全然違うのね)
一体あのカーブはどうなっているのだろう。その場へ行ってじっくり
観察したかったが、雅仲に椅子を勧められ断念した。
(実家のダイニングテーブルよりは小さいけど、普通のお宅にしたら
大きいのかしら?)
みのりは8人ほど座れるテーブルの端、キッチンに近い椅子に腰を
おろす。隣の席を紅が取ると、碧がその隣を陣取った。向かい側には
涼介と飛田へ座っている。
(飛田さんは緊張しているみたいね)
知らない人間の、それも梅八家の家にあがっているのだ。無理も
ない。その点、涼介の方は先ほどより随分とリラックスしている
みたいだ。みのりは少しだけホッとした。
(それにしても涼介はあんまりこの家には来たことがないのかしら?)
目新しいものがないかと物色するように室内を眺めている彼の
行動に内心で首をかしげる。すると、お茶を持ってきますね、と
言ってキッチンへ行っていた雅仲が戻ってきた。
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