Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





DIG




 涼介は目を真ん丸に見開いたまま、鯉のように口をパクパク開閉

している。それほど驚愕したのだろう。みのりも同じ気持ちだった。

しかし、そんな弟の様子に雅仲は眉をひそめ、深くため息をついた。


「その様子だと疑ったこともなかったんだなあ、お前」

「当たり前だろ! いったいどういうことだよ!」


 涼介がいきり立つ。だが彼の言い分はもっともだ。雅仲の言葉が

本当ならば、なぜ次期当主である自分との見合いを市長が

セッティングしたのだろう。みのりは理解が追いつかず、

眉間に皺を作った。


「涼介が梅畑を継ぐ?」


 確認するように呟くと、雅仲が隣で重々しく頷く。


「はい。こいつが生まれた時、こいつがありえないものを握ってた

んですよ。それで、祖父である涼蔵が跡継ぎはこの子だ、と」


 涼介の顔を見ながら意味深に語られた内容に、みのりは即座に

反応した。


「生まれたときに? な、何を持っていたんですか」

「『黄金梅の種』です。だが、両親はそんな祖父の考えに真っ向から

反対し、家を出てしまいました」


 雅仲がこちらを見据えながら告げてくる。みのりは目を瞠った。










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