Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
FI@
翌朝。
時刻は8時45分を回っていた。
もうすぐリビングで座り続けてから1時間経つ。
よほど揉めているのだろう。
(色々と巻き込んじゃってるってことだよな……)
山波を連れてくるために雅仲が苦慮しているだろうことを思って
溜め息を吐いていると、みのりが口を開いた。
「遅いわね。次男さんが出て行ってから結構経つんじゃない?」
「もうすぐ1時間、かな」
幾分苛立った様子のみのりに涼介は答えると、
みのりの隣にいる紅も呟いた。
「8時45分」
「何かあったんでしょうか?」
自分の隣で飛田が不安げな声をあげる。
このまままんじりと時を過ごしていいものか。
様子を見に行くべきかどうか迷っていると、階段を上る
足音が聞こえてきた。
「いやあ、みなさん。待たせちゃって申し訳ない」
後頭部を撫でながら雅仲が姿を現わす。
影でもたついている山波の背中を押し、最後の段を上り切った。
「よかった!」
皆の声を代弁したのは飛田だった。
来てくれて本当によかった。
心底胸を撫で下ろしていると、山波が不愉快げに鼻を鳴らす。
「ふん……」
そっぽを向く山波を見て、紅が小声で飛田へ告げた。
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