Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





FIA




「鹿さん、ガンバ!」


 小さなガッツポーズを送る紅が珍しく目を見開いている横で、

飛田が邪気のない笑みを浮かべる。


「ありがとう」


 微笑み合う飛田と紅に頷き、雅仲が声をあげた。


「とりあえず、山波さん。こちらへお座りください」


 山波を中央の椅子へ促すと、山波が渋々腰をかける。


「山波さん、おはようございます。

飛田さんから何やらお話があるようですよ。ねえ、飛田さん?」


 何故そこで飛田なのだろう。


(話があるのは俺たちじゃなかったっけ?)


 話の展開についていけず目をまたたく。

それは飛田も同じだったらしく、飛田は素っ頓狂な声をあげた。

「え?! 僕ですか?! な、なんで?!」


 完全にパニックしている。

また興奮してしまっているのではないだろうか。

ちらりと横目で確認すると、やはり頭に角が見えてきていた。


(これはまずいなあ……)


 背中をさすったら少しは落ち着いてくれるだろうか。

手を伸ばしかけた時、山波の嘆息が聞こえてきた。










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