Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





FIB




「俺にはない」


 腕を組み難しそうな顔をしている山波に、みのりが頭を下げる。


「山波さん来てくださってありがとうございます」

「わざわざお呼び立てして申し訳ありません。来ていただき

感謝いたします、山波さん」


 みのりに倣い心を込めて一礼するも、山波が答えてくれる様子はない。

黙り込んだまままっすぐに前方を見据えている。


「何かあちらで問題でもあったんですか?」


 雅仲と山波を交互に見ながらみのりが尋ねると、雅仲が苦笑した。


「どうしてもこっちに来たくないって駄々こねられちゃいまして……」


 頬を掻く雅仲に山波が明後日の方角を向いた。


「当たり前だ」


 どうやら話を聞いてくれる気はないらしい。


(まあ、それでも来てはくれたからなあ……)


 少しは昨夜みのりが言ったことが効いているのかもしれない。

どうやって話を持っていこう。

きっかけを探していると、先に碧が応じた。










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