Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





GIG




「涼介……」

「みのりさん……」


 名を呼ばれるだけで心が震える。

想いを込めてつぶらなアーモンド色の瞳を見つめ返すと、

みのりの横にいた紅が主の腕をぐいっと引いた。


「お嬢さま」


 夢から覚めたかのように目を瞬かせたみのりが、

慌てて紅を見つめる。


「そ、そうね。紅も頑張ってくれてありがとう」

「あ、あれ?」


 みのりが紅へ礼を言うのを訊きながら、

なんとなく釈然としない気分で首をかしげた。

これってやっぱりわざとなのだろうか。

碧のためにこんな小さなことでさえ? 

理解が及ばず悶々とした思いに囚われていると、

リビングの階段から不愉快な声が飛んできた。


「おやおや、ずいぶんと楽しそうだな」

「俺たちも混ぜてもらおうじゃないか。ねえ、雅秋」


 なんでこんなところに来るんだ。

まるで待ってたかのようじゃないか。

驚いて階段のほうへ顔を向けると、案の定長兄の雅秋と高松がいた。










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