Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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 みのりが市長と高松の来襲に唖然としたまま固まっていると、

涼介が普段よりも低い声を市長へぶつけた。


「何のご用ですか? 俺たち忙しいんですが」


 涼介が、ここから出て行けと言わんばかりに長兄へ冷ややかな

目線を送る。しかし、雅秋にはなんの効力もないらしい。

弟の威圧を簡単に受け流し、飄々と返答してくる。


「いや、一体山波さんに何を言ったのかと思ってね。

ずいぶん落ち込んでいるようにお見受けしたから」


 下へ降りて行った山波たちとすれ違ったのだろう。

心配そうに眉を寄せる市長の振る舞いに、みのりは眉間に皺を

寄せた。


(何が心配よ。露ほども思ってないくせに!

だいたい山波さんのことは市長と何の関係もないじゃない)


 ぐいぐいと入り込んでくる雅秋へ心の中で暴言を繰り返す。

すると涼介がこちらの気持ちを代弁するかのように、市長を

切って捨てた。


「雅秋兄さんに話す必要はありません」

「そうですよ。いくら弟君の家だからといって家主の断りなく

勝手に上り込むのはどうかと思いますよ」


 碧が涼介に便乗する形で雅秋に嫌みを言う。


(これで怒って部屋から出て行ってくれないかしら)


 側近の仕事振りを内心で称賛しながら淡い期待を抱く。

だが、碧の牽制は不発に終わってしまったようだ。市長は側近の

言葉に耳を傾けることなく家主である雅仲へ話しかけた。










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