Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「雅仲、私たちにもお茶をもらえるかな?」

「それさっき言いましたよ。用意するって」


 雅仲が市長たちを席へ誘導しながらキッチンへ入って行く。

それに伴い涼介も先ほどまで飛田が座っていた席へ移動した。

雅仲の席を確保するための行動だろう。


「ありがとうございます」


 みのりの予想通り、高松が礼を言いながらこちらの正面に

座った。市長も彼に続き、揚々と山波の座っていた場所へ腰を

下ろす。そしてこれ見よがしに碧へ視線を送った。

それは、家主が迎え入れているのだから自分たちはここにいる

権利があると言わんばかりの態だった。


「で、何を話していたんですか、みのり様?」


 勝ち誇ったような表情を市長に向けられ、みのりは押し黙る。

それを見越していたのか、碧が割って入ってきた。


「おや、そういうスタンスでいくというわけですね」

「負け犬」


 どうやら側近兄妹たちは市長たちの追い出し計画を諦めて

いないらしい。多分に毒を含んだ会話をわざとらしく続け始めた。


「紅、彼をそんな言葉でからかってはいけないよ。

彼は遠吠えもできずにいるのだからね」


 紅がちらりと市長を見て、碧へ視線を戻し頷く。外堀を埋めて

いくかのようにネチネチと相手を追い込んでいく側近たちの

手腕にみのりは顔を引きつらせた。










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