Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





HIC




 涼介はわからない、という意味を込め首を振った。

通じたかどうかはわからずもう一度口を開きかけた時、

碧が先に口を開く。


「おやおや足踏みがそろっていないようですね。早くも仲間割れですか?

市長殿」


 肩を竦ませる碧へ雅秋がしれっと答える。


「仲間、誰のことかな?」


 とぼけたように告げる長兄を前に紅が呟く。


「市長、ぼっち、認めた?」

「ブッ。ふふふ。そのようですね。紅」


 珍しく意見が合っているらしく、碧と紅義兄妹が楽しげに笑い合う。


(なんだかんだ言って、仲いいんだな)


 内心で呟いていると、高松が微笑んだ。


「つれないなあ。梅田君も梅畑君も、俺たちは幼馴染みじゃないか」


 軽い口調で雅秋の肩を叩く高松に答える者は誰もなく、

みのりが雅秋に尋ねる。


「あの、市長は高松さんと同じ考えを持つ仲間ではないのですか?」


 みのりの問いに、雅秋が腕を組んだ。


「同じ考えを持っていたつもり……だったのですけれどね。

高松とも、みのり様とも」


 意味深な言い方に涼介はむっとする。


(本当にこの人は分かってない)


 今までは諦めていたが、みのりのことに関してはそうはいかない。

一言言ってやろうと胸の内で袖を捲っていると、

みのりが首をかしげた。










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