Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





HID




「昨日もそのようなことをおっしゃっていましたね。

本家の存続を無にしようとする私の力になりたいと。

それは高松さんと同じ考えなんじゃないんですか?」


 みのりの質問に雅秋が頷く。


「無にする、というのは同じです。だが、その後がまずい。

体制はこのまま、もしくはさらに厳しくともよいと思っております。

獣人と人間は所詮相容れませんのでね」


 雅秋の言葉によほど驚いたのだろう。

みのりが一瞬にして身を固めた。


「おや? 何を固まっていらっしゃるんでしょうか。

私は何か違うことを言いましたかね?」


 非憎げな物言いに涼介は眉間に皺を寄せる。


「相容れないっていう割には獣人の長と繋がりがあるようだけど。

それについてはどうなんだよ?」


 あんたが真犯人だろう、と暗に告げてやると、

雅秋が小首をかしげた。


「彼も彼で獣人と人間が相容れないと思っているのでね。

お互いに住み分けをするってことは承知していると思うが」

「そんな……」


 なんでもないことのように言う雅秋を前に、みのりが言葉を失う。

獣人の長も長兄側についているとなると、事は山波を説得しただけは

事態が変わらないのかもしれない。

唇を噛み締めていると、碧が顎に手をあてた。










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